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2012年05月17日

本日配信!「1968年のヨーロッパ選手権の戦いを回想する」(5月17日号)

イビチャ・オシムの「オシム問答」 本日配信!

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〈読者の皆さまへ〉

 オシム問答、ようやく配信いたします。

 今回もまた、遅れてしまったことをまずお詫びいたします。遅くとも連休明けにはと思っていたのですが、パリ、ベオグラード、サラエボ、モスタルと続いた取材が予定よりも長引き、帰国が遅れたこともありこうなってしまいました。かえすがえす申し訳ありませんでした。

 サラエボ以外の取材は、すべて今から44年前に行われたEURO68に関するものです。オシムが選手として唯一出場し、準決勝のイングランド戦では開始5分に相手のタックルにあい、ほとんどプレーしていないにもかかわらず(しかも決勝は欠場)ベストイレブンに選ばれたあの大会です。


osim



 フランスで当時を知る記者3人(フランスのスポーツジャーナリズムを代表する重鎮たちです)と選手ひとりに話をうかがいました。選手は元フランス代表キャプテンで、ベオグラードでおこなわれた準々決勝第2戦ではオシムをマークしたジャン・ジョルカエフです。現在はフランスカップの組織委員長を務め、先日スタッド・ド・フランスでおこなわれた決勝でも、試合後選手たちに貴賓席でメダルを授与していました。いかにもユーリの父親らしい、温和で穏やかな人物です。

 またベオグラードではイリヤ・ペトコビッチ、モスタルではイバン・クルコビッチに会いました。そしてノビサドではイリヤ・パンテリッチ。ただひとり、途中からいっさい電話に出なくなったドラガン・ジャイッチ(微妙な時期なので仕方ないとは思いますが)を除き、みなさん本当に協力的でした。

 '68年のユーゴは、'62年や'54年、'90年のチームと並ぶ歴代最強チームのひとつです。というか、不運かつ理不尽な負け方をした、真に欧州チャンピオンに値するチームでした。〈オシムとの対話〉は、そのユーゴ代表についてのまくらの部分です。本格的なルポルタージュは、そのうちナンバー本誌かナンバープラスに掲載します。

 また今回は、ナンバー本誌のEURO2012予想のほかに、ジェフ20周年記念DVDとムック。Jリーグ20周年記念(朝日新聞社)ムックのインタビューも行っています。それらもいずれ発売されますので、目にしていただけたら幸いです。メルマガにも、いずれ何らかの形で反映できたらと思っています。

 また、今回も〈オシムの教え〉をたっぷり選りすぐっているので、そちらもじっくりご覧になってください。

 それでは「オシム問答」を、心ゆくまでお楽しみください。

(田村修一)

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 【1】 〈今週の「オシム問答」〉
    「数独とサッカーとの緻密で繊細な関連性」

「皆さんもご存知かと思うが、私は数独を解くのが好きだ。さすがに最近は忙しく、解いている時間はまったくないが、以前は新聞や雑誌に掲載されている問題を解きながらよく時間をつぶした。調子のいいときなどは、解答図が瞬時に頭に浮かぶこともあった……」


 【2】 〈オシムとの対話〉
    「1968年のヨーロッパ選手権の戦いを回想する」

「──これが1968年当時のヨーロッパ選手権の様子を書いたフランス・フットボール誌のコピーです。

オシム:後で読めばいいんだな。

──ええ。で、ここに来る前にリヨンでジャン・ジョルカエフに会いました。それから……。

オシム:ジョルカエフか。

──そうです。ジョルカエフです。

オシム:ユーリのパパだ。優れたサイドバックだった。

──ええ、でも準々決勝第2戦では中盤であなたをマークしました。

オシム:フランスも中盤にいい選手を揃えていた……」


 【3】 〈オシムとの対話 特別篇〉
    「オシム、ジェフを語る 【7】」


「オシム:私の場合は、岡崎はじめ多くのセンターフォワードを(日本代表で)試した。だが、練習を見てすぐに彼らはタイプでないことがわかった。それは覚えているだろう。

──ええ、センターフォワードは特殊なポジションですから。

オシム:そうではなくて、それぞれの監督に好みのタイプがあるということだ。この選手とこの選手はいいが、この選手はプレースタイルに合わない。たくさんの選手をテストしながら、自分に合った選手たちのグループを作るには時間がかかる。同じ方向性を持った選手のグループだ。

 私は(選手たちの)批判をしているわけではない。ジェフの監督時代から、私は彼らをよく見て知っていた。彼らが優れたアイディアを持っているのもわかっていた……」


 【4】 〈オシムの教え〉
    「2009年9月、サラエボでのインタビューより」

「《オシムの教え 56》

   激しく批判をしても、
   自分では何もしないのであれば、
   何の説得力ももたない。
   選手にしろ監督にしろ、
   自分のすべてを出しつくして最大限の努力をすれば、
   その言葉もまた受け入れられる。


 激しく批判をしても、自分では何もしないのであれば、何の説得力ももたない。選手にしろ監督にしろ、自分のすべてを出しつくして最大限の努力をすれば、その言葉もまた受け入れられる。批判の言葉であれ、監督を助ける言葉であれ。

 日本はその部分で、もっと率直になるべきだ。もっとオープンに議論し、すべての人々にはプラスにならない言葉でも、もっとはっきりというべきだ。サッカーや選手をより進歩させるためには、より大きなコンセカンスを持つべきだ。コンセカンスとは、いい面と悪い面のすべてを明らかにして、そしてひとつの道を探し出すこと。

 必ずしも批判を受け入れる必要はないが、他人が自分より優れていることは認めるべきだし、自分たちももっと進歩できることは認めるべきだ……」

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2012年04月29日

本日配信!「アジアサッカーの未来と可能性」(4月30日号)

イビチャ・オシムの「オシム問答」 本日配信!

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〈読者の皆さまへ〉

 今回もまた遅くなってしまいましたが、「オシム問答」をお届けします。

 オシムと電話で話したのは、前号の「オシムとの対話」以来でした。平日(月曜)ですが、たまたま仕事はなく、自宅に医学療法士を呼んでセラピーを受けた後でした。

 ただアシマ夫人によれば、その前の週はバニャルカに行ったりとか、相変わらず忙しかったそうです。そして例年ならば、これからはじまる5月初旬のバカンス時期にはクロアチアの親戚のところに行くことになっているのですが、今年は忙しくて難しいとのこと。去年もやはり行けず、恐らくボスニア協会会長を辞めるまでは難しいでしょう。

 まあ、私たちにとっては、この時期にもサラエボに居てくれるので、これから取材を敢行できるのですが……。ちなみに今回のサラエボ取材は、5月3日にサラエボ入りし、9日までいる予定です。詳しくは次号でお伝えします。

 さて、今号ですが、巻頭の〈今週のオシム問答〉では、彼がアジアサッカーの可能性について述べています。〈オシムとの対話〉でもアジアの可能性を、日本の近況を尋ねながら語っています。

 それから〈オシム、ジェフを語る〉ですが、今回はジェフの話から離れ、監督とはどうあるべきかという彼の(といっても、読者のみなさんにはもうお馴染みと思いますが)持論を展開すると同時に、2007年に参加したアジアカップについても興味深い話――高原の何に期待し、失望したかを明かしています。

 最後の〈オシムの教え〉は、2009年7月にはじめてサラエボを訪れたときのインタビューからの抜粋です。場所はその後定宿になるホテル・ヨーロッパではなく、五輪聖火近くにあるホテル・デラックス。レセプションが8階にある変わったホテルでした。彼の到着を待つ間の、緊張しつつも心地よい時間。到着したオシムが、12階のテラスに出て街を眺めながらいろいろ説明してくれたことなど、今でも鮮明に覚えています。

 7月のサラエボはかなり熱く、インタビューに使ったホテルのレストランは冷房がなく、いつものように話に熱中したオシムは、水分を取ることを忘れ少し脱水症状気味になってしまいました。それだけオシムは、サッカーと日本に関して、常に変わらず真剣でした。

 それでは今週も「オシム問答」を、どうかじっくりお楽しみください。

(田村修一)

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 【1】 〈今週の「オシム問答」〉
    「アジアサッカーの未来と可能性」

「ヨーロッパやもうすぐシーズンの終わりを迎えるが、アジアはまだ序盤が過ぎたばかりだ。AFCチャンピオンズリーグも、これからグループリーグの佳境を迎える……」


 【2】 〈オシムとの対話〉
    「アジアがヨーロッパに追いつくために必要なこと」

「──元気ですか?

オシム:ああ。

──フィジオセラピーは終わりましたか?

オシム:今日の分は終わった。そちらはどうだ?

──まあまあです。今は日本代表が合宿をやっています。国内組だけを集めた3日間の合宿です。

オシム:どこで?

──千葉です。ザッケローニはJリーグの若い選手たちも呼んでいます。

オシム:ベストチームというわけではなく、国内の選手を彼は見たいわけだ。

──その通りです。

オシム:そういうことか。私がテレビで見た印象では、チームは以前よりも少しよくなっている。ヨーロッパ組が少なくともコンビネーションはよくなり全員がよく動いている。素晴らしい時間帯があるし、ときに優れたプレーを実践している。とはいえヨーロッパ組が加わったほうが、素晴らしいのは間違いない……」


 【3】 〈オシムとの対話 特別篇〉
    「オシム、ジェフを語る 【6】」


「オシム:グァルディオラやクライフらの本を買うことはできる。それを読むのは簡単だが、書かれた内容を選手に説明するのは難しい。選手たちに練習の雰囲気などを伝えるのは簡単ではない。どういうやり方をして何が優れているのか。

 もちろん観客がいない以上、練習で試合の状況を完全に再現はできない。同じ状況にはならない。それでも理想的な練習を追求するのであれば、できるだけ試合に近い状態を練習でも作り出すようにする。選手を試合と同じ状況の中に置く。観客の眼やメディアの批判に晒されている状況だ。そうやって選手を刺激する……」


 【4】 〈オシムの教え〉
    「2009年7月、サラエボでのインタビューより」

「《オシムの教え 50》

   試合のある特定の時間帯・瞬間に、
   コレクティブに一体となって反撃できるチーム。
   それぞれがグループのために戦えるチーム。
   個人の力ではなく、
   チームの力で勝てたと選手たちが言えるチーム。
   それが、私が試みようとしたことだ。


 自分たちにチャンスはないと思い込んだら、事態は悪くなるばかりだ。常に同じことをチームが考えるように、進化させていかないと駄目だ。同じスタイルでプレーし、同じ武器を持って戦う。コレクティブにも同じ方向を向いて。それは私がすでに君に言ったように、私が試みようとしたことだ。

 常にプレーを志向し、選手同士がお互いをよく知ったチーム。試合のある特定の時間帯・瞬間に、コレクティブに一体となって反撃できるチーム。それぞれがグループのために戦えるチーム。個人の力ではなく、チームの力で勝てたと選手たちが言えるチーム……」


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